ミモザのリース型ブローチが生まれるまで

アクセアリー制作

春の訪れを感じさせてくれる代表的な花、ミモザ。

このブローチは、
ある素材との出会いから生まれました。


きっかけは、モール刺繍糸

最初のきっかけは、
モール刺繍糸を手にした瞬間でした。

ふと目に入ったのは、
微妙に異なる3色の黄色いモール刺繍糸。

その色の並びを見たときに、
ミモザの花が、順番に咲いていく様子が
自然と頭に浮かびました。

さらに、
このモールの質感なら、
ミモザ特有の細かな葉の表情も
表現できるのではないかと感じたのです。

「この糸で、ミモザを形にしてみたい」

そう思ったところから、
このブローチの制作が始まりました。


素材の難しさと向き合う

ただ、このモール刺繍糸は
とても繊細で扱いが難しい素材です。

しっかりとした布だと、
モールの毛が抜けてしまうんです。
刺繍できるのは
オーガンジーやガーゼのような
やわらかい生地に限られます。

最初は、
花束のようなミモザを表現したくて、
そのデザインも試してみました。

仕立てを簡単にするために
専用のブローチパーツを選び、
ガーゼ素材で制作したこともあります。

ガーゼのやわらかな雰囲気は魅力的でしたが、
どこかカジュアルな印象になり、
自分の中でイメージしている
オートクチュール刺繍の世界観とは
少し違うように感じていました。

そして、
私がイメージするミモザの枝の表現も、
初心者が作るには、
技術的にとても難しく、
レッスンとしてお伝えするには
ハードルが高いと感じていました。


生地と仕上がりのバランス

生地そのものの美しさも活かすとすれば、
シャンタンやベロアといった素材です。

けれども、
モール刺繍との相性を考えると、
どうしても難しさが残ります。

そこで選んだのが、
シルクオーガンジーでした。

張りがあるので刺繍しやすく
それでいて柔らかさがあるため、
モール刺繍糸への負担が
軽いと考えました。

ただ、
シルクオーガンジーは
繊細ではあるものの、
今回の作品には、
そのまま残すのは難しいと考えました。


リースという形にたどり着く

そこで思いついたのが、
リースの形です。

ミモザといえば、
花束と並んでリースも印象的なモチーフ。

円の形にすることで、
生地を自然に活かしながら、
全体のバランスも整えられると感じました。

難しいと感じていた
茎の表現を集合体として表現できるので
制作のハードルをグッとっ下げることができたんです。

こうして、
ミモザのリース型ブローチの形が
少しずつ見えてきました。


あえて「かわいらしさ」を引き算する

ミモザのリースには、
リボンが添えられていることが多くあります。

けれども、
リボンを加えることで
どの様な素材を用いても、
かわいらしさが
出てしまうように感じました。

そこで、今回はあえてリボンを入れず、
すっきりとした印象に仕上げています。


ビーズというアクセント

ミモザそのものは、
自然なやわらかさを持つ花で、
強い輝きはありません。

それでも、
アクセサリーとして身につけたときに
ほんの少し煌めきを添えたい。

そう思い、
ビーズを取り入れることにしました。

選んだのは、
マットな質感の深みのある黄色や、
やわらかく光を透す淡い色合いのもの。

そして、その間をつなぐような
中間の色も重ねています。

きらめきを添えるビーズは、
あえてサイズを変えながら、
動きの中で自然に光が揺れるように。

控えめでありながら、
ふとした瞬間に表情が生まれる。

そんなバランスを大切にしています。


色の違いが生む印象

このミモザのブローチには、
2つのカラーバリエーションがあります。

やわらかく優しい印象の「フレンチ」と、
生命力を感じる「ナチュラル」。

実はこの2色、
デザインの段階でアンケートを取ったところ、ほぼ半々に分かれたました。

その結果に、正直驚きました。

それと同時に
同じミモザでも、
思い浮かべるイメージは
人によってこんなにも違うのだと感じたのです。

だからこそ、
あえて一色に決めるのではなく、

その方が思い描くミモザに近いものを
選んでいただけるようにしました。

さらに、
色の重なり方を少し変えることで、
仕上がりの印象は大きく変わります。

同じデザインでも、
その方らしさが自然と表れる

それも、このブローチを作る楽しみのひとつとして、大切にしている部分です。


想いから形へ

こうして、
素材・形・印象のバランスを重ねながら、
ミモザのリース型ブローチは
形になっていきました。

ひとつの作品には、
いくつもの選択の積み重ねがあります。

どの素材を使うのか。
どこまで表現するのか。
何をあえて入れないのか。

そのひとつひとつが、
作品の雰囲気をつくっていくのだと感じています。


最後に

このブローチは、「ミモザを表現する」だけでなく、

身につけたときに、
自然と装いになじむことも大切にしています。

春のやわらかな光の中で、
そっと寄り添うような存在に。

そんなイメージで仕立てた作品です。

 

このミモザを、
ご自身の手で形にしてみたいと思われた方へ。

今回ご紹介した「ミモザのリース型ブローチ」は、
1dayレッスンとしてお作りいただけます。

はじめての方にも取り組んでいただけるよう、
手元の工程を動画で確認しながら進めていただけます。

レッスンの追加日程については、
別の記事にてご案内しております。
ご興味のある方は、
こちらより詳細をご覧ください。

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