【入門編】オートクチュール刺繍とは? 特徴や歴史について

オートクチュール刺繍

オートクチュール刺繍は他の刺繍とは何がどう違うのか?
疑問に思われる方は多いはず。

そんな方に、オートクチュール刺繍の特徴や歴史的な背景などにふれながら紹介したいと思います。

オートクチュール刺繍ってなに?

オートクチュール刺繍という言葉は聞いたことがあっても、実際にはどのようなものかは想像しにくいと思います。

ここでは、「オートクチュール刺繍とはどんな刺繍か」、「なぜ特別な存在として扱われてきたのか」を紹介したいと思います。

オートクチュール刺繍をした
ウェディングドレス

オートクチュール刺繍は、フランスで発展した特別な刺繍技法です。
ビーズスパンコールリボン金糸など、多彩な素材を組み合わせ、ドレスやスーツを華やかに仕上げるためにメゾンと協力して刺繍工房で発展してきました。

オートクチュール刺繍は、ドレスやスーツを美しく飾るために生まれた特別な「手仕事の技術」でしたが、最近はアクセサリーや日常の小物にも使用シーンが広がっています。


オートクチュール刺繍の歴史と背景

現在の華やかなオートクチュール刺繍は、長い歴史の中で育まれてきた刺繍技法です。

ドレスに施されていた背景からもわかる様に、パリの社交文化と結びつきが深く、刺繍工房の高い技術によって支えられてきました。ここでは、その成り立ちと背景をまとめてみました。



パリの社交文化とともに育った刺繍

オートクチュール刺繍は、昔から特別な衣装に使われてきた刺繍です。
19世紀のパリで発展し、シャネルやディオールなどのハイブランドメゾンを介して刺繍工房と協力することで、今のように美しく細やかな表現が誕生しました。


ハイブランドとメゾン、刺繍工房(ルサージュなど)の関係

ハイブランド(シャネルやディオールなど)は、自社のデザインにもとづいて特別なドレスやスーツを作る「メゾン」と呼ばれる部門を持っています。


メゾンでは全体のデザインや形を決めますが、実際の刺繍は、専門の刺繍工房が担当します。この刺繍はいわゆるオートクチュール刺繍といわれるものです。


ルサージュのような刺繍工房は、高い技術でデザインを美しく形にし、メゾンと協力してハイブランドならではの華やかな作品を作り上げています。

現代に受け継がれる刺繍の価値

今では特別なドレスだけでなく、小物やアクセサリーにも使われ、手仕事の魅力として広がっています。

 

他の刺繍とのちがい

オートクチュール刺繍は、「よく知られている刺繍と何が違うのだろう?」と疑問に思われたのでは?

ここでは、代表して「フランス刺繍」や「クロスステッチ」との違い、さらにインドの「アーリーワーク」とのつながりについて紹介します。

フランス刺繍との違い

フランス刺繍は、糸の動きを生かして絵を描くように刺していく刺繍です。

糸の光沢を生かした刺繍

糸が持つ光沢によって、絵画のような表情が生まれるのが特徴です。
使用する糸が太くなったり、引き合わせる本数が多くなると、かわいらしい印象に仕上がります。

クロスステッチとの違い

クロスステッチは、糸だけで模様を作り、色を変えることで絵柄を表現する刺繍です。

碁盤の目のようにマス目がある専用の布に刺繍するため、幾何学的で可愛らしいデザインが作りやすいのが特徴です。

色を変えて模様を描いた刺繍
単色で模様を描いた刺繍

アーリーワーク(Aari work)との関係

アリーワークは、インドで発展した伝統的な刺繍技法です。

特徴としては、細かなビーズやスパンコールを素早く刺せることがあげられます。
のちにリュネビルの技法に影響を与えたといわれています。
アーリーワークの高い技術性は、ヨーロッパの職人にも影響を与え、オートクチュール刺繍の表現の幅を広げるきっかけになったとされています。

このことについては、別記事にまとめたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。


オートクチュール刺繍の魅力

オートクチュール刺繍が、私を含め多くの人を惹きつける理由は、作品の美しさがひと目で伝わるところにあります。


光を受けて輝く素材を使用したり、立体的な表現は、ほかのどの刺繍とも少し違う味わいを持っています。
ここでは、その魅力を紹介いたします。

立体感と光の表現

オートクチュール刺繍では、スパンコールやビーズを平らに刺繍するだけでなく、角度を変えて立てて縫い付けたりすることがあります。
この手法により、より立体的で、存在感がある特別なものに仕上げることが可能になります。


ビーズやスパンコールを立体的に刺繍することで、光を受ける面が変わるため、ひとつの作品の中にさまざまな輝きが生まれるのも魅力のひとつです。


平面的に糸を動かして模様を描くフランス刺繍やクロスステッチとは違い、素材そのものの反射や陰影を生かした表現が楽しめる点が、オートクチュール刺繍ならではの特徴です。


素材の多様さ

オートクチュール刺繍で使う素材は、とても種類が豊富です。
スパンコールひとつをとっても、丸型亀甲型だけでなく、花型四角長方形マーキース型など、さまざまな形があります。
模様が入ったものもあり、組み合わせることで表情が大きく変わります。


ビーズも同じく種類が多く、サイズの違いはもちろん、チェコビーズやカットビーズ、ガラスパールなどを使うことで、作品により多彩な雰囲気を出すことができます。

糸についても多彩で、フランス刺繍の様な糸を使うこともあれば、ラメ糸で縁を飾ったり、艶感のある糸と引き合わせて、複数の糸のテイストの違いのを楽しむこともあります。

ここではほんの一部についてふれました。

実際の使い方については、作品を作ったときに紹介していこうと思いますので、楽しみにしていてくださいね。

一点ものならではの存在感

オートクチュール刺繍は、同じデザインで作っても、手仕事ならではの優しい風合いが魅力の一つでもあります。
色を変えたり、ビーズのサイズや素材を変えたりするだけでも、大きく印象が変わるのが、オートクチュール刺繍の最大の魅力です。

同じモチーフでも、左右反転させたり、使うビーズが異なったり、色を変えるとずいぶん違った印象になります。


どんな場面で使われているの?

もともとはドレスや衣装を美しく飾るために生まれたオートクチュール刺繍。
現在ではアクセサリーや小物にも広く使われ、身近なアイテムにも取り入れられています。
どんなものに施されているのか、その例を見てみましょう。

  • ハイブランドのドレス
  • 舞台・映画衣装
  • ブローチやネックレスなどジュエリーのようなアクセサリー
  • バッグやポーチなど日常の小物


これからオートクチュール刺繍を始めてみたい人へ

「オートクチュール刺繍をやってみたい」と思ったときに気になるのは…

何をそろえたらどんなことができるのか?ではないでしょうか?

「どんな道具がなぜ必要なのか」、「どんな材料が使うのか」を次にまとめてあります。
興味がある方は読んでいただけると嬉しいです。


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