オートクチュール刺繍とは?

オートクチュール刺繍

Ⅰ. オートクチュール刺繍ってなに?

オートクチュール刺繍という言葉は聞いたことがあっても、実際にはどのようなものかは想像しにくいと思います。

ここでは、「オートクチュール刺繍とはどんな刺繍か」、「どのように使われてきたか」、「どんな材料があるか」など、紹介したいと思います。

オートクチュール刺繍をした
ウェディングドレス

オートクチュール刺繍は、フランスで発祥した特別な刺繍技法です。
ビーズ、スパンコール、リボン、金糸など、多彩な素材を組み合わせ、
ドレスやスーツを華やかに仕上げるためにメゾン(工房)で使われてきました。

ドレスや小物を美しく飾るために生まれた特別な「手仕事の技術」でしたが、最近はアクセサリーや日常の小物にも使用シーンが広がっています。

Ⅱ.オートクチュール刺繍にはどんな技法があるの?


オートクチュール刺繍には、大きく分けて2種類の技法があります。

それぞれに特徴があり、向いている作品や習得にしやすさも異なります。
まずはその違いを分かりやすく紹介します。

1. ニードルワーク(針刺繍)とは?

一般的な刺繍と同じく、刺繍針を使う技法です。


糸・ビーズ・スパンコール・リボンなど、幅広い素材を扱えます。

特徴としては

  • 針の種類を素材に合わせて使い分ける
  • 小さな作品に向いている
  • 比較的早く習得できる

ニードルワーク(針刺繍)は、実はメゾンでも欠かせない技法で、
大きなビーズや石座のビジュー、立体感のある表現は針でしかできません。

2. クロシェ・ド・リュネビル(リュネビル刺繍)/アリワークとは?

専用のかぎ針を使う技法です。
広い面積をスピーディに刺繍できるため、メゾン(工房)ではドレス制作に多く使われています。

こちらの技法は、代表してリュネビルと表現することにします。

特徴としては

  • ビーズやスパンコールを高速で縫い付けられる
  • 広い面積に向いている
  • 習得には時間がかかる
  • 専用の道具が必要

3.どちらを選べば良いの?

それぞれの特徴を端的にまとめるとこのようになります。

  • 小物やアクセサリー → ニードルワーク’(針刺繍)がおすすめ
  • ドレスなど大きな作品 → リュネビルが得意

これに習得のしやすさ、必要とする道具の種類などを加味して考えてみると良いと思います。

4.小さな作品にはどちらが向いている?

 リュネビルは、特別な道具や比較的大きな刺繍枠や台が必要なこともあり、小さな作品には不向きかもしれません。

一方、ニードルワーク(針刺繍)は、刺繍枠や台もテーブの上における程度の大きさでも良いため、アクセサリーなどの小物を作るのに向いているといえます。

IngsMAKIでは、アクセサリー・小物制作が中心のためニードルワークをベースにしたレッスンを採用しています。

Ⅲ. オートクチュール刺繍ではどんな材料を使うの?

オートクチュール刺繍の魅力の一つは、使わエれる材料の豊富さです。

オートクチュール刺繍は、どのよう仕上げたいかで、何に何を刺繍するかが変わってきます。
それぞれの素材について解説します。

ここでは代表的な材料について紹介します。

1.刺繍する材料はどんなものがあるの?

イメージしやすいのは、刺繍糸やビーズ、スパンコールです。

その他にも、布や羽、リボンを使用することがあります。

クロスステッチやフランス刺繍と違い、
素材の種類が多いため、より立体的で華やかな表現ができます。

2.何に刺繍するの?

布に刺繍して仕上げていくのが基本です。
小物の場合は、合成皮革やフェルトに刺繍することもあります。

  • シルクオーガンジー
  • ポリエステルオーガンジー
  • フェルト
  • 合皮

3.オートクチュール刺繍とクロスステッチやフランス刺繍との違いは?

これらは、「刺繍」というカテゴリーの中では同じものになります。
大きな違いは、表現方法の違いです。

クロスステッチは糸だけで模様を作り、
フランス刺繍は糸の動きで絵を描くように刺します。

クロスステッチ
フランス刺繍


オートクチュール刺繍でも、フランス刺繍と同じ技術を使うこともあります。
そこに、ビーズ・スパンコール・リボンなどの異素材を加えることで、きらめきや立体感が楽しめる、華やかな刺繍になるのが魅力です。

Ⅳ. オートクチュール刺繍はどんなものに使われているの?

もともとはドレスや衣装を美しく飾るために生まれたオートクチュール刺繍。
現在ではアクセサリーや小物にも広く使われ、身近なアイテムにも取り入れられています。
どんなものに施されているのか、その例を見てみましょう。

かつてはドレスや舞台衣装のための技法でしたが、今では、アクセサリーや小物にも広く使われています。

  • ブローチ
  • ネックレス
  • バッグ
  • ヘアアクセサリー
  • 帽子やショールの縁飾り

オートクチュール刺繍をした
ネックレス

小さな面積でも華やかさを出せるため、日常使いのアイテムにも人気が高まっています。



Ⅴ. 作品はどのように作るの?(製作工程)

「どうやって作られているの?」と気になる方も多いはず。
ここでは、布選びから刺繍、仕上げまでの流れをやさしく説明します。

Step1
仕上げをイメージして刺繍する土台撮る素材を選びます。
一般的には、シルクオーガンジーを選ぶことが多いです。
適度な張りと透け感があるため、図案が写しやすいからです。

Step2
図案を丁寧に写します。必要であれば定規も使用します。

Step3
図案通りに刺繍をしていきます。
この時には、ビーズやスパンコールなど様々な素材を使います。

Step4
刺繍画できたら、縁を残して切り抜き、裏張りをします。
これは、刺繍面が崩れないように支えるための必要な工程です。

Step5
切る抜いた縁の処理を仕手から、裏布を貼ります。
この工程で、金具も付けて、ブローチやイヤーアクセサリーなどに仕立てていきます。

これらの工程の中で、時間がかかるのは、Step3です。
しかし同じ時間がかかるのは、仕上げの工程(Step4、5)です。
例えばブローチの場合、刺繍 3時間 + 仕上げ数時間かかることも珍しくありません。

一方、もっとっも気を使うのは、Step2とStep5です。
もちろん、Step3も大切ですが、この工程ができていても、Step2とStep5が適当だと、きれいな作品には仕上がらないのです。


Ⅵ.オートクチュール刺繍の魅力

オートクチュール刺繍には、見た目の美しさだけでなく、作る過程そのものにも魅力があります。
素材の輝きやひと針に込める集中の時間など、他の手仕事にはない特別な世界があります。
ここでは、その魅力を改めて整理してみましょう。

手仕事ならではの繊細さ
オートクチュール刺繍は、ひと針ひと針丁寧に手作業で行うので唯一無二の作品となります。

20㎝の幅広レースの模様に合わせて、スパンコールやビーズを刺繍して、カードケースに仕立てています。

素材が持つ美しさ
厳選したスパンコールやビーズを使うことで、上品で華やかな仕上がりに。

素材がもたらす特別感
オートクチュール刺繍は、繊細な作品が多く、素材やデザインも自由で、贅沢な輝きや立体感を持つ出すことができます。

身につけるだけで特別な気分にさせてくれます。

丁寧に仕上げるからこその達成感
小さなビーズやスパンコルを刺繍していくのはとても時間がかかる作業です。

特に仕上げには、時間と技術、集中力を要し、作品の完成度を左右するといっても過言ではありません。

心が整う静かな時間
丁寧に作る時間は、日常の喧騒を離れた静かな時間。

ざわついた心を落ち着かせてくれます。


Ⅶ.オートクチュール刺繍は簡単にできる?

繊細で難しそうに見えるオートクチュール刺繍ですが、実は小物なら初心者でも楽しめる技法があります。
ここでは、独学の難しさや、どんなところから始めると良いかをわかりやすくお伝えします。

特殊な材料や道具つかうこともあり、まったくの独学となると難しい部分がありますが、基本から学べば誰でも作品づくりを楽しめます。

特に

  • 小さな作品
  • アクセサリー
    はニードルワークだけで十分華やかに仕上げられます。

IngsMAKIでは、
基礎から無理なく進められるよう、ニードルワークを中心にした講座をご用意しています。

IngsMAKIでは、ニードルワーク(針刺繍)の技術を使ったアクセサリーや小物が作れるような講座を準備しております。

ディプロマ講座の詳細はこちらから

Ⅷ.オートクチュール刺繍を試してみることはできるの?

「ちょっと体験してみたい」という方向けに、IngsMAKIでは、気軽に参加できるワークショップや、作り応えがある体験レッスンがあります。

● ワークショップ(対面)

気軽に楽しめる短時間レッスン。

4種類のリボンを使ってスイートピーをデザインしたフレームです。
所要時間は約2時間です。

ワークショップの詳細はこちらから

● 体験レッスン(動画・対面・オンライン)

ディプロマ講座のスタイルで受講できるレッスンです。
オンライン・動画受講の場合は、LINEで質問もできます。

体験レッスンの詳細はこちら

 

Ⅸ. 最後に

オートクチュール刺繍は、「特別な技法」ではありますが、決して敷居の高いものではありません。
ひと針ひと針に集中する静かな時間は、忙しい毎日の中で、自分を整える豊かな時間にもなります。

少しでも興味を持っていただけたら、まずは小さな作品から挑戦してみてください。


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