長野県蓼科を訪れると、つい足を運びたくなる場所があります。
森の中に静かに佇む、アロマとハーブティーのお店「ハーバルノートシンプルズ」。

一歩足を踏み入れると、やさしいハーブの香りに包まれ、日常の慌ただしさを忘れさせてくれるような、穏やかな時間が流れています。

もちろん、お気に入りのハーブティーを探すのも楽しみのひとつですが、私が毎回心惹かれるのは、お店のまわりに広がる草花たちです。
植物には、それぞれの表情がある
植物は華やかに咲く花だけではありません。
葉が重なり合う姿、すっと伸びる茎、今にも開きそうなつぼみ。
木漏れ日の中で風に揺れる様子を眺めていると、同じ植物でもひとつとして同じ表情はないことに気づきます。

普段は何気なく通り過ぎてしまいそうな草花にも、思わず足を止めてしまうような美しさがあります。
例えば…
右側の葉をご覧ください。
すっと伸びた葉先や、ゆるやかな曲線、葉脈の流れまで、とても美しい形をしています。
真ん中の植物は、やわらかな緑から赤へと移り変わる色のグラデーションに目を奪われました。
そして左側は、葉の縁に入った繊細な切れ込み。
自然が作り出したとは思えないほど優雅なフォルムです。
こうして一つひとつを眺めていると、植物は花だけでなく、葉や茎、色の重なりまでもが美しくデザインされていることに気づきます。
私は、こうした自然が生み出す美しさこそ、作品づくりの大切なヒントになると感じています。
自然が教えてくれるデザインのヒント
オートクチュール刺繍で作品を制作していると、「植物を忠実に再現したい」と思うことは、あまりありません。
むしろ心惹かれるのは、その植物がまとっている空気感や、やさしく流れるような動き、自然な色の重なりです。
「この葉の重なり方、素敵だな。」
「この色合わせは作品にも取り入れてみたい。」

そんな小さな発見が、作品づくりのヒントになることがあります。
自然が見せてくれる美しさは、計算して作り出せるものではありません。
だからこそ、行き詰まった時ほど自然の中を歩きたくなるのかもしれません。
創作は、暮らしの中から育まれる
作品づくりは、机に向かっている時間だけで生まれるものではありません。
季節の移ろいを感じたり、草花を眺めたり、美しい景色に心を動かされたり…。
そんな日々の積み重ねが、少しずつ作品へとつながっていきます。
私にとって蓼科は、作品を作るためというより、「美しいものを見る目」を育ててくれる大切な場所なのだと感じています。

蓼科を訪れたら、ぜひ立ち寄ってみてください
蓼科を訪れる機会がありましたら、ぜひ「ハーバルノートシンプルズ」にも足を運んでみてください。
森の静かな空気と、植物たちのさりげない表情。
忙しい毎日を少し忘れて、ゆっくりと自然を眺める時間は、心をやさしく整えてくれるはずです。
そして、植物たちが見せてくれる何気ない美しさは、きっと皆さんの日常にも、小さな発見を届けてくれると思います。

今回選んだハーブティーは 「Green Summer Tea」。
レモングラスをベースにした、すっきりとした味わいで、暑い季節にはアイスティーでも楽しめそうです。蓼科の森で過ごした穏やかな時間を思い出しながら、自宅でもゆっくり味わいたいと思います。
そして、対面レッスンにお越しくださる皆さまにも、このハーブティーをお楽しみいただけたら嬉しいです。
今回、蓼科で見つけた植物たちを眺めながら、以前制作したリーフモチーフの作品を思い出しました。
自然の中にあるやわらかな曲線や、葉の重なり、色の移ろいは、今も私の作品づくりの大切な源になっています。
▶︎ 森の中で見つけた秋 ~秋の蓼科から生まれた飾れるブローチ~




